2016年9月2日金曜日

ダライ・ラマ法王のティーチングに行ってみたよ!の巻。

嗚呼、黄昏のダラムサラ。
ここ、ダラムサラにはチベットの亡命政府があります。
ね、亡命政府。
亡命政府って、はて一体なんぞや?
な方はチベット亡命政府(ガンデンポタン) Wikipedia
をご覧ください。


そして亡命政府を立ち上げなくてはならなかった、
その理由はざーっとこちら
チベット Wikipedia
をご覧ください。


1959年に中国の弾圧からインドへと亡命し、
ダラムサラでチベット再建の道を模索し始めてから既に半世紀。
現在、ダラムサラは食べ物も美味しいし、
物も豊富だし、何も不自由はありません。
坂道だらけなのがちょっとめんどいぐらい。
ただ、半世紀以上も前に遠い異国の地で新しく政府を立ち上げると言う苦労は、
すこしだけ想像がつきます。


その亡命政府の象徴である、ダライ・ラマ14世。
今回はダライ・ラマ法王による法話会(ティーチング)に参加してきました。
ダライ・ラマ法王が仏教の経典を解説してくれる、
その道の人からしたら鼻血が出そうなイベントです。
しかも朝8~11時の法話会を、
4日間ぶっ続けでやります。
全くたまらんね、うひょう!



ちなみに前回レーで会えた時のお話はこちら。
ダライ・ラマに会えたよ!の巻。
レーで会えたし、ダラムサラは別にいいかな。
と思っていた私。
すると、色んな所から行った方がいいよ。
って声が聞こえる気がする。
んじゃ1日目は出てみようかな。
じゃあ、許可証必要やんね!
ってことで、バグス通りにある許可証センターへ。
えぇ。人多過ぎですやん。
まあ法話会3日前だし。
みんな、もっと余裕を持って取りなよ…俺もだけど。
この日は取得を諦めるも、
翌日センター休みですって。
法話会前日の朝から勝負になります。
そして、もうひとつの闘いがこちら。



会場の場所取り。
会場はツクラカンと言うお寺の中なんですが、
場所取りは花見のそれに似ています。
ロープ張ったりテープ貼ったり。
せっかく場所を取っても、
当日行くのが遅いと誰かに取られるそうです。
行かれる方は初日だけは早めにね。


場所をゲットしたなら次は
ラジオとテキストの準備。
ルンタレストランで貸出してるので、
必要な方はルンタレストランへ。
法話の内容が同時通訳されるので、
ラジオがあるとより理解できると思います。



準備もできたし。
ひゃほう、ルンタのご飯最高!
小鉢が野菜の揚げ浸しなんだけど、
揚げ浸し丼にして食べたいレベル。
あとは法話会前日に
早起きして許可証ゲット!!
少し遅くなるとこの行列の恐ろしさ。
ここにインド人が並んでなくて本当に良かった。
許可証は外国人のみ、センターは9~17時オープン。
10ルピーとパスポートが必要です。



ようやく全ての準備は整った…
あとは明日の朝、起きるだけ!
そして遠足の前日現象で寝れない私。




法話会当日、朝。
いや、法話会デビュー戦の朝。
軽やかに準備を終え、いざ出発。
ウォーミングアップをしつつ、
ツクラカン寺に6時半に到着。
セキュリティチェックを抜け、
日本人セクションに向かう。


あれ?みんな居なくね?


まだ3人ほどしか居ない。
うん。早く来すぎたね。
雑談しつつ、そのうち人も増え始め、
会場内のスピーカーとモニターからマントラが流れ始める。


ちなみに法話会は
携帯、カメラ、ライター等の危険物は持ち込み禁止です。
預ける場所もありますが、
時間もかかるので持っていかない方がいいです。
くわしくは
ダライ・ラマ公式ホームページ
をご覧ください。



人もほとんど埋まった午前8時。
モニターからはダライ・ラマ法王の入場が生中継されます。
そしてお祈りを始める隣のチベット人のおばちゃん。
レーの時もそうだったけど、
特に歓声も拍手もありません。
静かにみんなモニターを見続ける。



ダライ・ラマ法王が着席。
お経の後から法話会、ティーチングの始まりです。
ラジオからはダライ・ラマの冗談すらも同時通訳されます。
81歳なのが信じられないほど、
とてもパワフル、そして話が面白い。
この日は宝行王正論の2章からの予定が、


「じゃあ初めての人もいるだろうから、1章から改めてやろうか。」


と、最初から解説。
解説だけではなくて、宗教の説明や、
世界の様々な話を冗談混じりに話される。
そうこうしている内にお茶とパンが配られ、
食べながら話を聞いていると、


「ここの人、パンがないから持ってきて~」


と、法話中でも優しい。
この日は色即是空という所の空の部分のお話がメイン。
やがて10時になって、トイレ休憩の時間。
そしてトイレ休憩って言ったのに、質疑応答始めちゃう法王さま。
そしてこんな質問が法王に投げかけられます。



「チベットの今も続く中国による弾圧についてどう思われますか。」



チベットの亡命政府があるダラムサラでの法話会。
町の中にはフリーチベットの文字を色んな所で見る機会があります。
チベットの象徴であるダライ・ラマ法王。
なんて答えるんだろう、と思っていたら。



「弾圧は確かにいけない、でも中国も弾圧をすることによって逆に自らが苦しんでいる。
弾圧して、中国は何かいい事がありましたか?
声を上げる事も必要だし、チベットへの協力もしているけれど、
中国の苦しみも心配です。」



自分の国を中国に侵略されて、
亡命政府を隣の国に作らなきゃならなかった人の言葉です。
同じ状況で同じ事を考えられるかと言ったら、
私にはたぶん無理です。



他にこのような事もおっしゃってました。
「~教の信者による自爆テロ、なんてニュースがあるけれど、あれは間違いだよね。
どんな宗教でも人を殺せなんて書いてある宗教は存在しないし、してはならない。
戒律を破っているのだから信者じゃない。
だから特定の宗教に対して恐れや偏見を持つべきではない。」
これにもなるほどなあ、と。
その恐れや偏見が中国の弾圧のようになってしまわないように、って事かな。



正直仏教の事は全くわかんないけど、
法話の端々の話はすごく勉強になりました。
気がつけばたっぷり3時間話された法王さまが帰られる時間に。
みんなでお見送りしようって事で正座して合掌。
すると、本にサインしたり、握手したりの法王さま。
いつもはSPが止めるから、絶対にない事らしい。
前から2列目だし、伸ばせば触ってくれるんじゃね?
両手を伸ばしてみたら、


あ、手に触れた、ラッキー。


と思ってたら、


法王さま、俺の右手をキャッチ。


あれ?なんか握手じゃないけど握手かこれ?
そんなミラクルが起きた法話会、すごく楽しかったです。



最後に同時通訳で大変わかりやすい解説入りで説明してくれたマリアさんと、
ないものはない!ってぐらい色々ポケットから出てくるあもうさん、
場所取りであーでもこーでもない!って中で一緒に右往左往したあすかさんと優子さんとりえさん、
美味しいご飯と、色々な物を貸してくれたルンタレストランの直子さん、
法話会で一緒に法話を聞けた全ての人に感謝を。


今日はダラムサラの祝日なので、
これから楽しんできまーす。
ほいじゃばねー


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